2025年10月30日
- 認知行動療法
静岡浜松で嘔吐恐怖へのカウンセリング
「吐いてしまうのが怖い」「気分が悪くなるのが怖くて外出できない」
そんなお悩みを抱える方は少なくありません。
嘔吐にまつわる恐怖は、日常生活のさまざまな場面に影響を及ぼすことがあります。
たとえば、外食や人との集まり、乗り物の利用などが難しくなってしまうこともあります。
こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店です。
本日は「嘔吐恐怖へのカウンセリング」について、
認知行動療法(CBT)の視点からお話しします。
嘔吐恐怖とは
嘔吐恐怖とは、自分や他人が吐くことに対して強い恐怖や嫌悪を感じ、
そのような状況を避けようとする心理的な反応を指します。
たとえば、
- 体調不良の人を見ると強い緊張を感じる
- 「もし吐いたらどうしよう」と考えて外出を控える
- 匂いや人混みなど、気分が悪くなりそうな環境を避ける
といった行動が見られることがあります。
このような反応は、人間が危険を避けようとする自然な働きの一つです。
ただ、時間が経つにつれて「吐くかもしれない」という予期が広がり、
生活全体が制限されてしまうことがあります。
恐怖の背景にある“体験”と“考え”
嘔吐恐怖の背景には、過去の印象的な体験があることも少なくありません。
たとえば、
- 周囲で嘔吐した人を見て強い不快感を覚えた
- 嘔吐した際に周りの反応が冷たかった
- 体調不良を「恥ずかしいこと」と感じた
こうした出来事が、「吐くこと=危険」「迷惑」「不潔」「恥ずかしい」といった考えを形づくることがあります。
その結果、ほんの少しの身体の違和感にも敏感に反応し、
「これ以上気持ち悪くなったら…」という思いが頭を離れなくなることがあります。
嘔吐恐怖を維持する“悪循環”
認知行動療法では、嘔吐恐怖を「心と体と行動の循環」で理解します。
- 身体の感覚
(少し気持ち悪い、喉がムカムカする、胃が重い) - 考え
(吐くかもしれない、人前で吐いたら大変だ) - 感情・身体反応
(緊張、動悸、汗、身体のこわばり) - 行動
(外出を控える、人混みを避ける、薬やマスクを常に持ち歩く)
このような行動は、一時的に「不快な感覚」をやわらげる働きを持っています。
たとえば、緊張や吐き気、気まずさ、動悸といった感覚が軽くなり、
その瞬間は安心感を得られることもあります。
しかし同時に、「避ける → 楽になる → また避ける」という流れを繰り返すことで、
長期的には“恐怖や不快感をより強く感じやすい状態”が固定化されていくことがあります。
カウンセリングでは、この循環を一緒に整理し、
“不快な感覚を抱えながらも行動できる自分”を取り戻すことを目指します。
認知行動療法で大切にする視点
認知行動療法では、「不快な感覚をなくす」ことよりも、
不快な感覚を感じても、自分の行動を選べるようになることを重視します。
嘔吐恐怖の中心にあるのは「不安」だけではありません。
それに伴う吐き気や喉の違和感、身体の緊張、気まずさ、嫌悪感――
これらの“心身全体の不快感”が問題の核にあることが多いのです。
この不快な感覚を少しずつ扱えるようになることで、
「怖さに支配されずに動ける自分」を取り戻していくことができます。
エクスポージャーという方法
嘔吐恐怖に対するカウンセリングでは、
エクスポージャー(曝露)と呼ばれる方法を用いることがあります。
これは、「不快な感覚を消すための我慢」ではなく、
不快な感覚を感じながらも行動を取る練習です。
たとえば、
- 「嘔吐」という言葉を見る
- 嘔吐に関する画像や音を短時間だけ確認してみる
- 吐き気に似た身体感覚を少し再現してみる
といった段階的な取り組みを行いながら、
「思っていたより大丈夫だった」「怖かったけどできた」という体験を重ねていきます。
それにより、「不快な感覚があっても自分で対処できる」という感覚が少しずつ育まれていきます。
「不快感を抱えながらも動ける」という経験
嘔吐恐怖では、「怖さをなくす」ことを目指すよりも、
「怖さや不快感を抱えながらも行動できる」ことを目指す方が、より現実的です。
不快な感覚を避けずに向き合うことで、
「思っていたほど壊れない」「何とかなる」という実感を得られることがあります。
それは「慣れ」ではなく、
感じても大丈夫という身体的・心理的な学習です。
この積み重ねが、「吐き気=危険」という固定化したイメージをやわらげ、
行動の幅を広げていくことにつながります。
嘔吐恐怖の方が抱えやすい思い
カウンセリングの現場では、次のような思いを語られる方が少なくありません。
- 「周りに迷惑をかけたくない」
- 「吐いたら嫌われると思ってしまう」
- 「気持ち悪くなったら取り返しがつかない」
- 「体調の変化があると怖くて仕方ない」
これらの思いは、“不快な感覚を避けようとする心の自然な反応”でもあります。
カウンセリングでは、それらを丁寧に言葉にしながら、
より現実的で柔軟な考え方を一緒に見つけていきます。
静岡浜松でのカウンセリングについて
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店では、
嘔吐恐怖に関するご相談を少なくない数お受けしています。
完全予約制の落ち着いた空間で、
周囲を気にせず安心してお話しいただけます。
オンラインでのご相談にも対応しています。
【所在地】
〒430-0944 静岡県浜松市中央区田町231番地8 プレイスワン田町301号室
(遠州鉄道 遠州病院駅 徒歩3分/第一通り駅 徒歩4分)
【営業時間】
10:00〜20:00(完全予約制)
【WEBサイト】
https://hamamatsu.cbt-mental.co.jp/
【LINE(相談・ご予約)】
https://lin.ee/26sKHRK8
【お申込フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
よくある質問(Q&A)
Q1. 嘔吐恐怖はカウンセリングで変化しますか?
A. 個人差はありますが、不快な感覚を避けるのではなく、
それを感じながらも行動できるようになる方は少なくありません。
Q2. エクスポージャーが怖いのですが、無理に進められることはありますか?
A. いいえ。段階的に、ご自身のペースで進めていきます。
「怖いけれどできそう」と感じられる範囲から取り組みます。
Q3. オンラインカウンセリングでも受けられますか?
A. はい。ご自宅からでも、対面と同じ枠組みで実施しています。
まとめ
嘔吐恐怖は、「不快な感覚をなくす」ことよりも、
その感覚を抱えながらも動けるようになっていく――その過程を支えることを大切にしています。
吐き気や緊張、身体の違和感などがあっても、
一歩ずつ行動を重ねていくことで、
少しずつ自分の中に“安心して生きられる感覚”が育っていきます。
もし、嘔吐への恐怖でお困りでしたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
専門のカウンセラーが、あなたのペースに合わせて丁寧にサポートいたします。