2024年12月03日
- 認知行動療法
うつ病改善に用いる生活記録表を活用したカウンセリング(認知行動療法)

こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店のスタッフです。今回は、うつ病の改善に効果的な「生活記録表」の使い方とその効果について詳しくお話しします。うつ病の改善には医療的な支援だけでなく、日常生活でのセルフケアも重要です。その中でも「生活記録表」は、自分自身の状態を客観的に把握し、適切な改善につなげるための有用なツールです。
うつ病とは?
うつ病は、気分の落ち込み、意欲の低下、興味や関心の消失といった症状を特徴とする精神疾患です。これらの症状が長期にわたって持続し、日常生活に支障をきたす状態を指します。
うつ病の改善には、次のような取り組みが重要です。
- 医療機関での治療:抗うつ薬やカウンセリングなどの専門的な支援
- 認知行動療法(CBT):考え方や行動のパターンを見直す心理療法
- 生活習慣の見直し:規則正しい生活リズムやストレス管理
この中で、日常的に取り組みやすいセルフケアの一環として、「生活記録表」が注目されています。
生活記録表とは?
生活記録表とは、日々の行動や気分の変化を記録し、自分の生活パターンや症状を可視化するためのツールです。認知行動療法の一環として活用され、以下のような項目を記録します。
記録する内容
- 気分や感情の変動
その日の気分や感情の変化、ストレスレベルを記録します。 - 行動内容
どのような活動を行ったのか、その頻度や質について記録します。 - 睡眠と食事のリズム
睡眠時間や質、食事内容、エネルギーレベルをチェックします。 - 体調の変化
疲労感や身体のだるさ、その他の身体的な症状を記録します。 - 服薬状況
処方薬の服用状況やその効果について記載します。
生活記録表を活用するメリット
1. 自己管理の意識向上
記録を続けることで、自分の行動や気分のパターンを把握できるようになります。これにより、生活習慣を整え、うつ病の症状を改善する意識が高まります。
- 例:規則正しい睡眠が気分の安定に役立つことを実感できるようになります。
2. 症状の悪化を早期発見
記録を見返すことで、症状が悪化する兆候を早期に発見できます。
- 例:活動量が減り始めた時点でストレスや不調を察知し、適切に対応できます。
3. 医師やカウンセラーとのコミュニケーション促進
生活記録表があると、日々の変化を具体的に医療スタッフに伝えることができます。これにより、より的確な治療やアドバイスが可能になります。
4. 行動活性化のサポート
行動活性化とは、うつ病改善のために意識的に行動を増やしていく方法です。生活記録表を使って小さな成功体験を記録することで、達成感を得て前向きに行動を続けられるようになります。
生活記録表の使い方
1. 毎日記録を続ける
小さな変化も記録することで、自分の状態を詳細に把握できます。
2. ポジティブな出来事も記録する
「散歩に出かけた」「好きな音楽を聴いた」など、些細な成功体験やポジティブな感情も書き留めましょう。これが自己肯定感を高め、改善意欲の向上につながります。
3. シンプルで使いやすい形式を選ぶ
記録の負担を減らすため、自分に合った形式を選びましょう。アプリ、手書きノート、カレンダーなど、使いやすい方法を採用することがポイントです。
4. 週に一度振り返る
記録を週単位で振り返ることで、自分の生活パターンや気分の変動を把握しやすくなります。
まとめ
「生活記録表」は、うつ病改善のためのセルフケアツールとして非常に効果的です。自分の気分や行動を客観的に見つめ直すことで、症状の改善につながるだけでなく、生活全体の質の向上にも役立ちます。当カウンセリングセンターでは、このツールを活用した専門的なサポートを行っています。うつでお悩みの方はぜひご相談下さい。
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店
https://hamamatsu.cbt-mental.co.jp/
——代表プロフィール——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
