2025年01月22日
- メンタルヘルス
- 認知行動療法
資産運用に役立つメンタルケア

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店のスタッフです。
本日は、資産運用をされている方に向けて、資産運用におけるメンタルケアの重要性とその具体的な方法についてデイトレードを例にお話しします。
近年、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用し、分散投資や長期投資による資産形成が注目されています。こうした長期的な視点での運用方法は、リスクを抑えながら資産を増やす手法として、多くの方に受け入れられています。
一方で、「短期間で資金を増やしたい」「今の生活にもう少し余裕を持たせたい」と考える方には、デイトレードといった短期投資が魅力的に映ることもあるでしょう。
デイトレードは大きな可能性を秘めていますが、同時に心理的な負担も大きい投資手法です。そのため、適切なメンタル管理が成功への鍵となります。今回は、デイトレードにおけるメンタルの課題とその克服方法について詳しく解説します。
デイトレードとは?
デイトレードとは、株式を1日のうちに複数回売買し、その差額から利益を得る投資手法です。たとえば、ある株を100円で購入し、その日のうちに105円で売却すれば、5円の利益が得られるという仕組みです。このように、理論上は「安く買って高く売る」だけのシンプルな手法ですが、実際に実行するのは容易ではありません。
株価の動きを予測するための知識や経験が求められることはもちろんですが、最も重要なのは「メンタルの管理」です。デイトレードでは、心理状態が直接的にトレードの結果に影響を与えます。そのため、適切なメンタルケアが成功のカギとなります。
デイトレードにおける主なメンタルの課題
デイトレードを行う際、多くの方が以下のようなメンタル的な課題に直面します。
1. 焦りや不安
株価は短時間で大きく動くことがあります。そのため、「早く売らないと損をするのでは?」「買った途端に下がったらどうしよう」といった焦りや不安が生じやすくなります。
2. 損失を取り戻そうとする衝動
損失を出した場合、その損失をすぐに取り戻そうとして無理な取引を行うことがあります。この「損失回復のための取引」は冷静な判断を妨げ、さらなる損失を招くリスクがあります。
3. 利益確定のタイミング
利益が出ているとき、「もっと利益が伸びるかもしれない」と欲張りすぎて売却のタイミングを逃してしまうことがあります。また、逆に利益を急いで確定し、本来得られたはずの利益を減らしてしまうケースも少なくありません。
デイトレードに役立つ認知行動療法(CBT)のメンタル調整法
デイトレードの成功には、冷静な判断力と安定したメンタルが不可欠です。ここからは、当カウンセリングセンターでご案内している認知行動療法(CBT)を活用した具体的なメンタル調整法をご紹介します。
1. 敗北リサーチ
デイトレードでは、失敗から学ぶ姿勢が非常に重要です。取引後にその日のトレードを振り返り、損失が発生した原因を分析する習慣をつけましょう。
以下のポイントを確認すると良いでしょう:
- エントリーポイントや損切りのタイミングは適切だったか?
- 感情に左右されて判断が変わった瞬間はなかったか?
こうした振り返りを繰り返すことで、次回以降のトレード精度が向上します。
2. 感情に気づく
デイトレード中、自分の感情の変化に注意を払いましょう。「焦り」「不安」「欲」など、感情に名前をつけることで自分の心理状態を客観視しやすくなります。これを「メンタルモニタリング」と呼びます。
感情を冷静に把握できるようになることで、感情的な判断を避け、適切な行動を選択できるようになります。
3. 気持ちを切り替える
損失を出したり、予想が外れたりした際は、一度冷静になるための行動を取り入れましょう。具体的には以下の方法がおすすめです:
- 席を離れてトイレに行く
- 冷たい水で顔を洗う
- 深呼吸をする
これらのアクションは感情的な状態をリセットし、冷静さを取り戻す助けになります。
4. 損切りの練習
損失を最小限に抑えるための「損切り」は、デイトレードの重要なスキルです。しかし、損切りは心理的なハードルが高いと感じる方も多いでしょう。少額の取引から練習を始め、「損切りしても次がある」といった前向きな思考を身につけることが大切です。
5. 緊急時の対応マニュアル作成
大きな損失を出した際に冷静さを失わないために、事前に「緊急時対応マニュアル」を作成しておくことをお勧めします。たとえば:
- 損失が一定額を超えたらトレードを中断する
- 落ち着くための具体的な行動リストを準備しておく
これにより、パニックを防ぎ、次に繋がる行動が取りやすくなります。
まとめ
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店では、資産運用におけるメンタルヘルスのサポートを行っています。資産運用の成功を直接保証するものではありませんが、投資を行う中で感じる心理的な負担の軽減や、心の健康を保つためのスキルを身につけるお手伝いをいたします。興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店
https://hamamatsu.cbt-mental.co.jp/
——代表者情報——
岡村優希
株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役
認知行動療法カウンセリングセンター代表
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。
さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。
◆執筆書籍
「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版
「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房
◆テレビ出演
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日
「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演
◆雑誌掲載
「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号
◆近年の講演実績
2024年2月21日
広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師
2023年2月9日
NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師
2022年7月6日
筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師
その他、学会発表多数
