2025年12月05日
- 認知行動療法
不安が止まらないのはなぜ?|認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店のブログをご覧いただきありがとうございます。
「ずっと不安が続く」
「考えても仕方ないと分かっているのに止まらない」
「過去のことも未来のことも頭の中が忙しい」
そんなご相談をいただくことがあります。
実は不安が止まらない状態には、
心がどの方向に向いて苦しくなっているのか
という大きな特徴があります。
本日は、認知行動療法(CBT)の視点から
不安が止まらない理由と
改善のヒントをわかりやすく整理してお伝えします。
■ 不安の正体は「未来」と「過去」に分けて考えると理解しやすい
心のつらさはさまざまですが、
大まかには 「未来に向かう不安」 と 「過去に向かう苦しさ」 の二つに分類できます。
この区別ができると、
「自分はいま、どんな苦しさの中にいるのか」
が見えやすくなり、改善の道筋が明確になります。
① 【未来】に向かう不安
──予測・恐怖・回避のサイクル──
未来に向かう不安は、
「まだ起きていないこと」
に対する予測が中心です。
■ 典型例
- 不安症
- 社交不安
- 強迫症(危険の予測)
- パニック症(発作への予測)
- 予期不安
■ 心で起きている流れ
- 未来の「予測」が浮かぶ
例:失敗する、恥をかく、発作が起きる - 恐怖や身体反応が出る
- 回避・安全行動を取る
- 回避するほど予測が強化され、不安スパイラルへ
未来型の不安では、
予測モデル(予測と実際のギャップを見る) がとても役立ちます。
■ CBTでの改善の方向性
- 曝露(エクスポージャー)
- 行動実験
- 予測と現実の「ずれ」を確認する練習
- 回避の削減
- 注意の向け方を調整するスキル
未来の不安は、
「予測を修正する」 ことで少しずつ軽くなっていきます。
② 【過去】に向かう苦しさ
──反芻・後悔・意味づけ・自責──
未来型の不安とは異なり、こちらは
もう終わった出来事をどう捉えてしまうか
が中心になります。
■ 典型例
- 反芻(何度も同じことを繰り返し考える)
- 自責(必要以上に自分の責任と考える)
- 恥の問題
- 完全主義(小さなミスの意味が大きく感じる)
- 抑うつ的思考(自己批判)
■ 心で起きている流れ
- 過去の出来事を何度も再生する
- 自分の責任として抱え込みすぎる
- 自己評価が下がる
- 行動が減り、さらに苦しさが強まる
こちらは「予測」では説明しにくいタイプの苦しさで、
出来事の評価 と 自分への評価 が強く関わります。
■ CBTでの改善の方向性
- 認知再評価(出来事の意味の整理)
- 思考の脱中心化
- 完全主義の緩和
- 自己批判への介入(セルフコンパッション)
- 行動活性化
過去の苦しみは、
「自己評価・意味づけの修正」 が中心となります。
■ 未来 × 過去を並べると分かりやすい構造に
| 方向性 | 心で起きていること | 苦しさの種類 | 改善の中心 |
| 未来 | 起きていない出来事の「予測」 | 恐怖・回避 | 予測の修正 |
| 過去 | 起きた出来事の「評価」 | 自己批判・後悔 | 意味づけの修正 |
多くの方は 両方が混ざっている ことも珍しくありません。
- 社交不安 × 自責
- 強迫症 × 反芻
- パニック × 過去の失敗体験
こうした複雑さが、不安をより強く・長く感じさせる要因にもなります。
■ 不安が止まらないときの第一歩は「自分の苦しみの向き」を知ること
不安が止まらない状態は、
決して「気持ちが弱いから」ではありません。
未来への恐怖が強くなりすぎているのか、
過去の自責が深くなりすぎているのか。
どちらが中心なのかを見立てるだけでも、
改善の方向性が大きく変わります。
CBTでは、
あなたの「苦しみの向き」に合わせて
予測・評価・行動の変化を丁寧にサポートしていきます。
■ Q&A|不安が止まらないときによくあるご質問
Q1.不安が強すぎて、カウンセリングでうまく話せる気がしません。大丈夫でしょうか?
はい、大丈夫です。
こちらから丁寧に質問をしながら一緒に整理していきますので、
無理に話をまとめていただく必要はありません。安心してお越しください。
Q2.不安が止まらないのは性格の問題でしょうか?治るものですか?
性格の問題ではありません。
不安が止まらない状態には
予測のクセ(未来) や 意味づけのクセ(過去) が関わっており、
認知行動療法ではその構造を一つずつ整理しながら改善を目指します。
Q3.未来の不安も過去の後悔も両方あって、何から手をつければよいか分かりません。
その場合は、まず
「どちらが今のつらさを強めているか」
を一緒に見立てることから始めます。
例えば、
- 近づいている予定が怖くて生活が止まる → 未来の不安が中心
- 過去の出来事がずっと頭から離れない → 過去の評価が中心
- どちらもある → まず生活に影響が大きい方から介入
といったように、
順番をつけて整理すると改善が進みやすくなります。
■ 静岡浜松で不安の相談をしたい方へ
認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店
「相談を考えているけれど緊張する」
そんな方でも安心してお越しいただけるよう、
落ち着いた空間と丁寧な対応を大切にしています。
住所
〒430-0944
静岡県浜松市中央区田町231番地8 プレイスワン田町301号室
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