2025年11月06日
- 認知行動療法
静岡浜松で加害強迫へのカウンセリング
「自分が誰かを傷つけたのではないか」「思わず危ないことをしてしまうのではないか」
そんな強い不安や恐れを感じることはありませんか。
こういった悩みを抱えている方も少なくありません。
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター静岡浜松店です。
本日は「加害強迫へのカウンセリング」について、
認知行動療法(CBT)の視点からお話しします。
加害強迫とは
加害強迫は、「人を傷つけてしまうかもしれない」という考えが頭から離れず、
繰り返し確認や回避をしてしまう状態を指します。
たとえば、次のような悩みが見られます。
- 通りすがりに誰かにぶつかった気がして、何度も振り返って確認する
- 車の運転中に「人を引いてしまったかもしれない」と思い、同じ道を戻って確かめる
- 包丁やハサミを見ると、「自分が誰かを傷つけてしまうかもしれない」と感じて避けるようになる
- 何気ない会話や行動のあとに「相手を傷つけたのでは」と感じ、頭の中で何度もやり取りを思い返してしまう
- 「もし本当に傷つけていたらどうしよう」という不安を抑えきれず、家族や友人に「大丈夫だったかな?」と何度も確認してしまう
このような不安や行動は、一時的に安心を与えることもありますが、
時間が経つと再び不安が戻り、同じ確認を繰り返してしまうことがあります。
このサイクルが続くことで、生活全体が不安に支配されてしまうのです。
「考えてしまう=危険」ではありません
加害強迫の背景には、「考えたことは現実になるかもしれない」という誤った結びつきがあります。
実際には、誰にでも“望ましくない考え”がふと浮かぶことはあります。
それ自体は自然な心の働きであり、異常なことではありません。
しかし、「そんなことを考える自分はおかしい」「危険な人間かもしれない」と受け止めてしまうと、
考えを排除しようとしたり、確認を繰り返したりして不安が強まります。
カウンセリングでは、こうした「考え」と「行動」を結びつけてしまう思考の癖を整理し、
考えが浮かんでも不安に巻き込まれにくくするためのサポートを行います。
認知行動療法(CBT)によるアプローチ
認知行動療法では、加害強迫の「不安」「考え」「行動」のつながりを一緒に見直していきます。
特徴的な進め方の一例をご紹介します。
1. 不安や恐れの仕組みを理解する
まずは、「どんな時に不安や恐れが強くなるのか」「不安を減らすためにどんな行動(確認・回避・祈るなど)をしているのか」を整理します。
この段階では、「不安を下げようとする行動が、かえって不安を長引かせている」という仕組みを理解することが大切です。
2. “考え”との距離を取り戻す
加害強迫では、「考えること=実際に起こすこと」と感じてしまう傾向があります。
カウンセリングでは、「考えが浮かぶこと」自体は誰にでも起こる自然な心の反応であることを確認し、
“考えに巻き込まれずに観察する”練習を行います。
ここでの目的は、「考えを止める」ことではなく、「考えがあっても落ち着いていられる」状態をつくることです。
3. 不安と向き合う練習(エクスポージャー)
不安をなくそうとするほど、心はその不安にとらわれやすくなります。
そこでカウンセリングでは、不安があっても少しずつ行動できるようになることを目指します。
たとえば、怖いと感じる場面にほんの少しだけ近づいてみたり、
「確認したい気持ち」を少しの間だけ待ってみたりします。
最初はドキドキしますが、
「不安があってもなんとかできた」という体験を少しずつ積み重ねていくことで、
次第に心の反応が落ち着きやすくなっていきます。
このように、不安を消すのではなく、不安を抱えたままでも動ける自分を育てていく――
それがエクスポージャーという練習の目的です。
カウンセリングで大切にしていること
当センターでは、単に不安を減らすだけでなく、
「考えや感情との付き合い方」を整えることを大切にしています。
- 自分を責めすぎず、柔らかく受け止めること
- 不安な時にどんな行動を取ると落ち着きやすいかを見つけること
- “できていること”を丁寧に確認し、少しずつ自己信頼を回復すること
こうした積み重ねによって、日常の安心感を取り戻していくサポートを行っています。
Q&A(よくある質問)
Q1. 加害強迫の相談はどんな人が多いですか?
A. 年齢や性別に関係なく、学生から社会人まで幅広い方がご相談にいらっしゃいます。
「自分が危険な人間かもしれない」と悩むほど真面目で優しい方が多い傾向です。
Q2. どのくらいの期間で落ち着いていきますか?
A. 個人差はありますが、「考えを完全に消す」のではなく、「考えに振り回されない状態」を目指します。
初期には不安が強くても、徐々に考え方の整理と行動練習によって軽くなることが多いです。
Q3. 家族にできるサポートはありますか?
A. 不安を和らげようとして「大丈夫だよ」と繰り返すと、かえって確認行動が強まる場合があります。
カウンセリングでは、家族が安心を与えすぎずに見守る方法も一緒に検討します。
ご相談をご希望の方へ
当センターは完全予約制で、対面・オンラインどちらにも対応しています。
安心してお話しいただけるプライベート空間で、
「感情と行動の整理」をサポートいたします。
【所在地】
〒430-0944 静岡県浜松市中央区田町231番地8 プレイスワン田町301号室
(遠州鉄道 遠州病院駅 徒歩3分/第一通り駅 徒歩4分)
【営業時間】
10:00〜20:00(完全予約制)
【WEBサイト】
https://hamamatsu.cbt-mental.co.jp/
【LINE(相談・ご予約)】
https://lin.ee/26sKHRK8
【お申込フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
まとめ
加害強迫の不安は、「考えたことが現実になるかもしれない」という思い込みから生まれます。
認知行動療法のカウンセリングでは、この“考えと行動の関係”を整理し、
少しずつ「不安と共に生きる力」を育てていきます。
もし今、「誰かを傷つけてしまうかも」という考えに苦しんでいる方がいたら、
それは“人を大切に思う気持ち”が強い証でもあります。
一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。